鏡よ、鏡この世で一番…

自作の小説の溜まり場

母校に行ってから謎の女の嗤い声が聞こえた噺。

今週のお題「ゾッとした話」 5年前のたしか、いまくらいの時期かなあ〜。 そのときは、いろいろあってしんどくて病んでいてふとある人にいわれた言葉をきっかけに卒業して以来一度も訪れていなかった母校に足を運んだ。 母校は、山に囲まれたキツイ坂道を登…

嫌いのちに好き。

街中からあまい香りが漂ってくる。 それは好きな人にチョコレートを渡そうと浮き足立ってる女の子たちの香りだ。 好きな人、ねぇ。 嫌いで嫌いで仕方のない人ならいるけれど。 せっかくのバレンタインだし自分用のチョコレートでも買っていこう。 そうだ、ロ…

溺愛

聞いてください。あなたに溺れる夢をみました。 あなたがほかの人を見ていたら、苦しくて苦しくて沈んでしまいそう。 お願い、ほかの人を見ないで。 そう言いたくても、言葉を奪われているから言えなくて。 どぴどぷどぷ。 気付いたら、だんだん深く深く沈ん…

甘い呪い

私はあなたをずっと好きでいる呪いをかけました。 その呪いは永遠に続いてしまいそう。 でも、いいの。 毒に浸ってるこの状態が何だかんだ心地が良いから。 甘美な毒の花。そう、まるで彼岸花のような。 想うはあなた一人。 彼岸花の花言葉。紅いリコリスは…

シーラカンスのお茶会

海は宇宙よりも神秘的で謎が深い。 深く深く潜ろうとすればするほど謎が深まってくる。 エメラルドグリーンからだんだんサファイアのような深い青が目の前に広がっていく。 カクレクマノミが楽しげに泳いでいたり、海藻がゆらゆらと揺れてたりまるで僕は人魚…

翡翠色の指輪と秘密の冒険

ピピピピピ。5時半に目覚ましが鳴り響く。 寒いし眠いからまだ布団にくるまりたいけど、夢を叶えるために時間を無駄にしてはいけない。 まだ朧げな瞳のまま起き上がって顔を洗いに洗面所まで向かう。 顔を洗うときに澄んだ空気と相まって水が冷たく感じた。 …

嫌いのちに好き。

街中からあまい香りが漂ってくる。それは好きな人にチョコレートを渡そうと浮き足立ってる女の子たちの香りだ。 好きな人、ねぇ。 嫌いで嫌いで仕方のない人ならいるけれど。 せっかくのバレンタインだし自分用のチョコレートでも買っていこう。 そうだ、ロ…

ブラッククリスマス

こんな噺を聞いたことはありませんか。 クリスマスには、サンタさんが来ます。 ですが、悪い子はブラックサンタさんが来て氷河に捨てられます。 クリスマス以降にその子を見た人はだれもいませんでした。 これは僕の地域に伝えられている伝承だけれど、正直…

禁じられた遊び

いつも恒例の女子会は楽しい。 けれど、たまに二人の仲の良さを見せつけられて、切なくなるのはなぜだろう。 こないだの女子会は楽しかったはずだ。なのに、寂しいのはなぜだろう。 …振り返る。 いつもの帰りのバスで友達と放課後遊ぶ約束をしているから手土…

思考停止

ざあざあ、と雨が降ってきた。 なぜ、僕はこんな雨の中傘もささずに佇んでいるのか疑問を抱きながら、ふと水面を覗き込んだら。 そこに写っていたのは、大嫌いなカエルだった。 なぜ、大嫌いなカエルになっているのか。 いくら考えても分からない。 考えても…

猫とメリーゴーランド

たまちゃん、お元気にしていますか。 虹の果ての世界は晴れていますか。 そう問いかけても返事はなかった。 あたりまえか。 たまちゃんのお墓に向かって話しかけても、しかたないって分かっていない。 そんな自分にどうしようもないやるせなさをおぼえた。 …

どうか、小説家気分に浸らせてください。

《女なんだから化粧しろ。 女の子だからピンクにしようね。 女なんだから、ちょっとはおしゃれしろよ。 うるさい、うるさい。 灰色の言葉の羅列がうるさくてしかたない。》 遮光カーテンで締め切った 散らかった部屋で誰に届けることもなく文章を書きなぐる…

狂愛

やっと一緒になれるね… 誰も助けに来ない燃え上がる部屋の中で君の遺骨を抱きしめながら僕の意識は灰になって… 僕は君より一個下で僕の猛アプローチの末に君と結ばれた。 君は、僕より年上で三十路とは思えないくらい綺麗だった。 手入れの行き届いた長い黒…

ゆめかわ☆戦争

2020年日本にてゆめかわ戦争勃発。 瓶いっぱいにつめられたカラフルなジェリービーンズの大砲。いちごミルクの機関銃から飛び散るいちごミルクに群がる兵士たち。 戦争なんていいつつ、まるでおとぎ話のように平和。 それもそう。 ここは可愛いものしか存在…

あかい海

眠れない海の音。 あかいあかい海の色。 胎児はあかい海を悠々と泳ぐ。 お母さんの栄養が胎児のいのち。 胎児よ、汝は何時まで与えられしあかい海を悠々と泳ぎつづける? さもなくば、母なるものはお前を生む前に死んでしまうぞ。 すると、胎児は目すらまだ…

少女殺し 〜 メイデン・キラー 〜

私、どこに居るの…? 気付けば、真っ暗な小部屋に手錠をがんじ絡めにされた私の腕"らしき"ものが、私の目にうつった。 ああ、そうか、と私は分かった。 分かってしまった。現実を。 私は、ずっと甘くて淡い夢をみていたのね。 そう、朦朧としたまま淡い記憶…

彼岸のあなたまで…

彼岸。悲願。此岸。 あなたにもういちど会えること、それが私の悲願。永遠に叶えられないねがい。 まだ夏の暑さが残る日差しを浴びて少し汗ばみながら野菜と花を買いに買い物に向かっていく。 出掛ける前にほんのり香る死の香りをしたあなたの遺影にそっとキ…