溺愛
聞いてください。あなたに溺れる夢をみました。
あなたがほかの人を見ていたら、苦しくて苦しくて沈んでしまいそう。
お願い、ほかの人を見ないで。
そう言いたくても、言葉を奪われているから言えなくて。
どぴどぷどぷ。
気付いたら、だんだん深く深く沈んでしまってもう陸にはあがれないみたい。
ねえ、もし私が海の底に沈んでも。
あなたは、私を迎えに来てくれますか。
それとも、私のことなんて忘れてほかの人と笑いあっていますか。
そんなのいや。
私は人魚姫みたいに諦められないから。
あなたと一緒に溶けていきたいの。
どうか、甘くて優しい夢くらいみさせて。
ねえ、聞いてますか。
私は、あなたと幸せになりたいです。