甘い呪い
私はあなたをずっと好きでいる呪いをかけました。
その呪いは永遠に続いてしまいそう。
でも、いいの。
毒に浸ってるこの状態が何だかんだ心地が良いから。
甘美な毒の花。そう、まるで彼岸花のような。
想うはあなた一人。
ああ、そうだ、私 彼岸花になってしまっていたんだわ。
ざあざあ雨が降っても、あなただけを待ち続ける毒の花。
想いを伝えられなかった呪い。
もう、想いなんて伝えられなくなったけど。
私はあなただけを想うわ。ずっとずっと。
枯れてもまたあなたに会いたいから咲き誇るわ。
何度枯れてもあなたへの呪いが解けないかぎり、私は咲き誇るわ。
だから、私をみて。
九月の雨は私の涙かしら。
あなたに想いを伝えられない涙、かしら。
あ、あなただ!
あなたは、隣に咲く白い彼岸花を優しい眼差しで見つめていた。
雨の音がさらに強くなった気がした。