鏡よ、鏡この世で一番…

自作の小説の溜まり場

甘い呪い

私はあなたをずっと好きでいる呪いをかけました。

 


その呪いは永遠に続いてしまいそう。

 


でも、いいの。

 


毒に浸ってるこの状態が何だかんだ心地が良いから。

 

 

 

 


甘美な毒の花。そう、まるで彼岸花のような。

 

 

 

想うはあなた一人。

 


彼岸花花言葉。紅いリコリスはなんて情熱的なんだろう。

 


ああ、そうだ、私 彼岸花になってしまっていたんだわ。

 


ざあざあ雨が降っても、あなただけを待ち続ける毒の花。

 


想いを伝えられなかった呪い。

 


もう、想いなんて伝えられなくなったけど。

 


私はあなただけを想うわ。ずっとずっと。

 

 

 

枯れてもまたあなたに会いたいから咲き誇るわ。

 

 

 

何度枯れてもあなたへの呪いが解けないかぎり、私は咲き誇るわ。

 

 

 

だから、私をみて。

 

 

 

九月の雨は私の涙かしら。

 


あなたに想いを伝えられない涙、かしら。

 

 

 

あ、あなただ!

 


あなたは、隣に咲く白い彼岸花を優しい眼差しで見つめていた。

 

 

 

雨の音がさらに強くなった気がした。