鏡よ、鏡この世で一番…

自作の小説の溜まり場

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

嫌いのちに好き。

街中からあまい香りが漂ってくる。 それは好きな人にチョコレートを渡そうと浮き足立ってる女の子たちの香りだ。 好きな人、ねぇ。 嫌いで嫌いで仕方のない人ならいるけれど。 せっかくのバレンタインだし自分用のチョコレートでも買っていこう。 そうだ、ロ…

溺愛

聞いてください。あなたに溺れる夢をみました。 あなたがほかの人を見ていたら、苦しくて苦しくて沈んでしまいそう。 お願い、ほかの人を見ないで。 そう言いたくても、言葉を奪われているから言えなくて。 どぴどぷどぷ。 気付いたら、だんだん深く深く沈ん…

甘い呪い

私はあなたをずっと好きでいる呪いをかけました。 その呪いは永遠に続いてしまいそう。 でも、いいの。 毒に浸ってるこの状態が何だかんだ心地が良いから。 甘美な毒の花。そう、まるで彼岸花のような。 想うはあなた一人。 彼岸花の花言葉。紅いリコリスは…

シーラカンスのお茶会

海は宇宙よりも神秘的で謎が深い。 深く深く潜ろうとすればするほど謎が深まってくる。 エメラルドグリーンからだんだんサファイアのような深い青が目の前に広がっていく。 カクレクマノミが楽しげに泳いでいたり、海藻がゆらゆらと揺れてたりまるで僕は人魚…

翡翠色の指輪と秘密の冒険

ピピピピピ。5時半に目覚ましが鳴り響く。 寒いし眠いからまだ布団にくるまりたいけど、夢を叶えるために時間を無駄にしてはいけない。 まだ朧げな瞳のまま起き上がって顔を洗いに洗面所まで向かう。 顔を洗うときに澄んだ空気と相まって水が冷たく感じた。 …