鏡よ、鏡この世で一番…

自作の小説の溜まり場

ゆめかわ☆戦争

 

2020年日本にてゆめかわ戦争勃発。

 


瓶いっぱいにつめられたカラフルなジェリービーンズの大砲。いちごミルクの機関銃から飛び散るいちごミルクに群がる兵士たち。

 


戦争なんていいつつ、まるでおとぎ話のように平和。

 

 

 

 


それもそう。

ここは可愛いものしか存在しない夢の国なのですから。

 


にんげん も砂糖といちごミルクでできているのです。

 


淡いピンクとうっすら薄紫がかかったおそらに浮かぶわたあめの雲。

飴の日には飴がたくさん降るからこの世界では雨の日ではなくて、飴の日です。

 


お砂糖菓子でできたあまくてふわふわした、幻想郷のような。

 


そう、幻想郷のような。

 


だって、この世界にはつらいことも汚いものもないのですから。

 

 

 

老化なんてないし、排泄物もない。

 


働くこともないし、なにも悩むこともない。

 


それらはあまいあまい砂糖になって人間界に送られているので。

 

 

 

 


人間界では、つらくて苦しいことばっかりだった人間たちが『夢の国にいくと、つらいこととおさらばできる』という噂を聞いて いちごミルク味の飴を用意すると、うるう年の夜にユニコーンが現れるから人間たちはユニコーンに乗って夢の国のゲートを開いていきました。

 


二度と人間に戻れないことを知らずに。

 

 

 

 


この世界には死の概念はあるのか?ですか。

 


あるといえばありますね。

この世界では、老化はないといいましたよね?

 


つまり、砂糖やチョコレートになって人間界の工場に送られるのですよ。

 


エコでしょう?

 

 

 

さて、こんな事実を知らずにまた人間たちがやってきましたね。

 


«幻想郷»だと信じ込んで。

 


大丈夫です。もうなにも苦しいことなんてありませんから。

 


なにも考えずに幸せに溶けてくださいね。

 


貴方たちもなんで戦争の真似事をしているか分からない兵士たちのように、なにも考えられなくなりますよ。

 


だって、考えることなんてないのですから。

 

 

 

それが幻想郷なのですから。